ある日突然、あなたの愛用しているWindows PCが起動しなくなり、見慣れない青い画面に「BitLocker 回復」と表示されたら…?
ぞっとしますよね。実は今、Microsoftが配信した最新のWindowsアップデートによって、PCが突然ロックされ、最悪の場合データが全て消えてしまうという深刻な不具合が報告されています。
今回は、この「BitLockerの罠」とも言える問題の詳細と、私たちが今すぐできる対策についてまとめます。
恐怖の「48桁」要求とデータ消失リスク
この不具合に遭遇すると、PCはいつものログイン画面ではなく、BitLockerの回復キー入力を求める画面で停止してしまいます。

問題は、ここで要求される「48桁の回復キー」です。
ほとんどの人は、そんなキーを覚えていたり、メモしたりしていませんよね。もし、このキーをMicrosoftアカウントにも紐づけてバックアップしていなかった場合…。
残念ながら、PCに保存されている写真、書類、その他すべてのデータに二度とアクセスできなくなります。 まさに「全ロス」です。

大先生
「BitLocker回復キー」は、家の鍵と暗証番号を一緒にしたような、非常に大切な情報です。PCがロックされてから探すのでは遅いので、今すぐ自分のMicrosoftアカウントにキーがバックアップされているか確認しておきましょう!
原因はWindows Update

この悪夢のような不具合は、2025年10月14日頃に配信されたWindows Update(Windows 11の場合は KB5066835 など)が原因である可能性が高いと報告されています。
アップデートの際、OSの中身が書き換えられるのをBitLocker(Windowsの標準暗号化機能)が「外部からの攻撃だ!」と誤認し、PCを緊急ロックしてしまうようです。
特に危険なのはどんなPC?
この問題は、特に以下の条件に当てはまるPCで発生しやすいと言われています。
✅️ Intel製のCPUを搭載
✅️「モダンスタンバイ」機能を持つ(最近のノートPCの多くが該当します)

大先生
「モダンスタンバイ」は、スマホのようにPCをスリープさせても裏側で通信でき、すぐに復帰できる便利な機能です。しかし、この機能が今回の不具合の引き金の一つになっているようです。比較的新しいノートPCをお使いの方は特に注意が必要ですね。
さらに厄介なのが、最近のメーカー製PCは、ユーザーが意識しないまま最初からBitLockerが有効になっているケースが多いことです。自分は設定したつもりがなくても、リスクにさらされている可能性があります。
今すぐできる対策は?
もしロックされてしまったら
万が一この画面に遭遇したら、慌てずに別のスマートフォンやPCを使って、自分のMicrosoftアカウントにサインインしてみてください。 運が良ければ、そこにBitLockerの回復キーが自動的にバックアップされているはずです。

事前の予防策:「オフにする」という選択も
最も確実な予防策の一つは、BitLockerを「オフにする」ことです。
もちろん、カフェなどに持ち歩くノートPCは盗難リスクがあるためオンのままが良いですが、家から持ち出さないデスクトップPCまで暗号化する必要があるかは疑問です。
「泥棒に入られる確率」と「Microsoftのアップデートで締め出される確率」、どちらが高いか…という話ですね。
しかし、会社から貸与されているPCではオフにしないほうがいいです。紛失したときのリスクが大きすぎます。
BitLockerの確認・無効化の手順
- [設定] を開く
- [システム] > [ストレージ] と進む
- [ストレージの管理] > [ディスクとボリューム] をクリック
- Cドライブなどの [プロパティ] を開く
- 下の方にある「BitLocker」の項目を確認し、オンになっていれば「BitLockerをオフにする」を選択できます。


大先生
BitLockerをオフにする(無効化する)際、暗号化を解除するために「複合化」という作業が行われます。これにはPCの性能やデータ量によって数時間かかることもあります。寝る前など、PCを使わない時間帯に実行するのがおすすめですよ。
10月は「不具合のフルコース」だった

実は2025年10月は、このBitLocker問題以外にも不具合が多発していました。
- PCを修復する「回復環境(WinRE)」でマウスが動かなくなる
- タスクマネージャーを閉じても生き残る「ゾンビ化」現象
- まだ使えるPCに「サポート終了」のウソ通知が表示される
……など、まさに「不具合のフルコース」状態でした。
まとめ
アップデートはセキュリティのために必要ですが、そのアップデートが原因でデータが失われるのは本末転倒です。
ぜひこの機会に、ご自身のPCのBitLocker設定がどうなっているか、一度確認してみることを強くお勧めします!

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