おでんには「からし」、ホットドッグには「マスタード」。どちらも私たちの食卓に欠かせない調味料ですが、この二つの違いを正確に説明できる人は意外と少ないのではないでしょうか?
「英語にすると、どちらもマスタードでしょ?」と思いきや、実は原料の品種から製造方法まで、全くの別物なんです。

さらに、スーパーでよく見かけるチューブタイプのからしには、「和からし」や「本からし」といった種類があり、「どれを選べばいいの?」と悩んだ経験はありませんか?
この記事では、そんな「からし」と「マスタード」の素朴な疑問を徹底解説。それぞれの特徴に合った料理もご紹介するので、もう調味料選びで迷うことはありません!
根本的な違いは2つ!「からし」と「マスタード」

「からし」と「マスタード」は、どちらも「からし菜」というアブラナ科の植物の種から作られています。では、なぜ味や辛さが全く異なるのでしょうか。その理由は、「原料の品種」と「製造方法」にあります。
違い①:原料となる「からし菜」の品種
私たちが普段「からし」と呼んでいるものは、専門的には「和からし」と呼ばれます。そしてマスタードは「洋からし」です。この二つは、使用するからし菜の品種が異なります。
🌱 和からし(日本のからし)

- 品種: オリエンタルマスタード
- 特徴: 鼻にツーンと抜ける、揮発性の強い刺激的な辛さが特徴。種の色は黄色く、香りも非常に強いです。
🌱 洋からし(マスタード)

- 品種: イエローマスタード(主に)
- 特徴: オリエンタルマスタードに比べて辛さや香りが穏やか。マイルドな風味が特徴です。ホワイトマスタードとも呼ばれます。
つまり、和からしは辛みの強い品種、マスタードは辛みの穏やかな品種から作られている、というのが第一の違いです。
違い②:水だけで作るか、調味料を加えるか
もう一つの大きな違いが製造方法です。
🌱和からし

粉末にした種を水(または、ぬるま湯)だけで練って作られます。そのため、からし菜本来のシャープな辛さと風味をダイレクトに感じられます。
🌱洋からし(マスタード)

粉末にした種を水で練るだけでなく、お酢や砂糖、塩、香辛料などを加えて味を調えます。これにより、酸味や甘みが加わり、マイルドで複雑な味わいが生まれるのです。
この製造方法の違いが、二つの味わいを決定的に分けているのです。
もう迷わない!「和からし」「本からし」の違いと選び方
スーパーでチューブタイプのからしを選ぶ際、「和からし」と「本からし」、そして単に「からし」と書かれたものがありますよね。実はこれらも中身が違います。
和からし:最も辛く、ツーンとくる刺激が魅力

🌱特徴
オリエンタルマスタードシードのみを使用。最も辛みが強く、鼻に抜けるシャープな刺激を存分に楽しめます。
🌱こんな料理におすすめ
✅ おでん
✅ 豚の角煮
✅ 冷やし中華
汁物やタレに溶かして使ったり、味の濃い料理のアクセントとして少量添えるのに最適です。
本からし:マイルドな辛さで、風味豊か

🌱特徴
辛みの強いオリエンタルマスタードと、穏やかなイエローマスタードをバランス良くブレンドしたものです。
🌱こんな料理におすすめ
✅ シュウマイ
✅ とんかつ
✅ 納豆
✅ サンドイッチ
和からしよりも刺激がマイルドなので、からしそのものの風味も楽しみたい料理や、少し多めにつけたい料理にぴったりです。
からし:和からしと本からしの中間

🌱特徴
こちらもオリエンタルとイエローのブレンドですが、「本からし」よりも和からしの比率が高く、辛みが強いのが一般的です。
辛さの順で並べると、以下のようになります。
和からし > からし > 本からし
パッケージの裏にある原材料名を確認すると、「オリエンタルマスタード」「イエローマスタード」と記載されているので、ぜひチェックしてみてください。
まとめ
「からし」と「マスタード」の違い、そして「和からし」と「本からし」の使い分けについて解説しました。
- からしとマスタードの違い: 「原料の品種」と「酢や砂糖の有無」
- 和からし: 最も辛い。おでんや角煮に。
- 本からし: マイルドで風味豊か。シュウマイやとんかつに。
これからは料理に合わせて最適な一品を選んで、いつもの食卓をさらに豊かに楽しんでみてくださいね。
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