「俺たちのプレリュードはどこへ…」 24年ぶり復活の新型に戸惑う“あの頃”のファンたち

新型プレリュード 一般
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2025年9月4日、ホンダが往年の名車『プレリュード』24年ぶりに復活させると発表しました。

胸のすくようなニュースに、かつて青春を共に過ごした世代の心は沸き立ちました。しかし、その詳細が明らかになるにつれ、聞こえてきたのは手放しの称賛ばかりではありません。

「何かが違う」
「これは誰のためのクルマなんだ…?」

そんな戸惑いの声です。一体なぜ、待望の復活は一部のファンに複雑な思いを抱かせているのでしょうか。その声に耳を傾けてみます。

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「デートカー」の面影はどこに? 変わり果てたコンセプトと価格

80年代から90年代にかけて、プレリュードは時代の寵児でした。特にリトラクタブルヘッドライトが眩しかった2代目、3代目は「デートカー」の代名詞。

手の届く価格でありながら、4輪操舵システム(4WS)など世界を驚かせる先進技術を搭載し、誰もが少し背伸びすれば乗れる、最高のスペシャリティクーペでした。

しかし、24年ぶりに現れた新型はどうでしょうか。SNS上には、こんな声があふれています。

まず価格が618万円と聞いて、現実味がなくなった

見た目が最近のプリウスクラウンに似ている。昔の美しい独自のデザインはどこへ…

タイヤが大きすぎて、ボディが分厚く見える。昔の低いフォルムが良かったのに…

かつて若者の憧れだったクルマは、今や一部の富裕層にしか手の届かない存在になりました。

手頃な価格で、革新的で、何よりカッコよかった「俺たちのプレリュード」とは、あまりに隔たりがあるのです。

ホンダの狙いは? 響かない「新時代のスポーツ」という理想

新時代スポーツ

ホンダは新型プレリュードを「電動化時代における新時代のスペシャリティスポーツ」と位置づけます。

シビックタイプR譲りのシャシーに、モーター駆動の滑らかさとマニュアル車のような操作感を両立した「e:HEV」を搭載。その走りは評論家からも高く評価されています。

しかし、往年のファンがホンダに求めていたのは、それだったのでしょうか。

プレリュードといえば、高回転まで気持ちよく回るVTECエンジンだったはず

なぜ今、ハイブリッドなんだ…

環境性能が重視される現代において、ハイブリッド化は当然の流れかもしれません。ですが、「エンジン屋ホンダ」の熱狂を知る世代にとって、その選択は少し寂しく映ります。

VTECエンジン

そもそも、このプロジェクトは「プレリュード復活」が目的ではなく、「新しいハイブリッドスポーツの開発」が発端だったとのこと。その事実は、「なぜプレリュードの名前を冠したのか」という根本的な疑問をファンに抱かせます。

結局、これは「誰が買う」クルマなのか

最も大きな疑問、それは「このクルマを誰が買うのか」という点です。

600万円を超えるクーペは、かつてプレリュードに熱狂した若者たちには到底手が出せません。

そして、当時を懐かしむ50代、60代のファンは、確かに購買力はあるかもしれませんが、彼らが求めていたのは、思い出の中のプレリュードの現代版ではなかったでしょうか。

この値段を出すなら、もっと本格的なスポーツカーか、あるいは高級セダンを選ぶ

限定販売で、既存顧客じゃないと買えないらしい。そもそも俺たちには売ってくれないのか

こうした声からは、かつてのファンが完全に蚊帳の外に置かれているような疎外感さえ感じられます。

プレリュード

新型プレリュードは、クルマとしての性能は高いのかもしれません。しかし、その名が持つ「物語」「思い出」を愛したファンにとって、今回の復活は少し遠い世界の話になってしまったようです。

熱狂の時代を知る者たちの心に響くのは、祝福のファンファーレよりも、過ぎ去った青春へのノスタルジーなのかもしれません。

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