2025年夏、TikTokを中心に話題をさらっているネットミームが「グッボイくん」です。
TikTok発のこのキャラクターは、無邪気なセリフと突拍子もない行動のギャップが魅力で、多くのユーザーが動画に音源を使いネットミーム化しています。
ネットミームは時代ごとに「瞬間的な爆発力」と「独特の中毒性」で拡散してきました。今回は、グッボイくんの流行をきっかけに、過去に話題を集めた有名ネットミームと、そのブレイクのきっかけを振り返ります。
グッボイくん(2025)

まずは、現在進行形で拡散している「グッボイくん」から見ていきましょう。このミームは、まさに現代のSNS文化を象徴する形で生まれました。
項目 | 内容 |
発祥 | TikTok(オリジナル音源 by 腕井亭打撲) |
特徴 | 「町にお湯をかける」「怖いおじさんに唾をかける」など、不穏でシュールな行動と「GOODBOY」という決めゼリフ。 |
ブレイクのきっかけ | TikTokでの音源拡散。複数のユーザーがアニメ風映像や字幕をつけ、YouTubeショートやXでも解説動画が拡散。 |
ポイント | 制作背景や作者の素性が非公開で、謎が魅力を強化。 |
ヤバイTシャツ屋さんの「かわE」(2019)

音楽の世界から飛び出し、SNSの言葉遊びとして定着したミームもあります。
項目 | 内容 |
発祥 | ロックバンド「ヤバイTシャツ屋さん」の楽曲『かわE』の歌詞がきっかけ。 |
特徴 | 「かわいい」を「かわE」と略す独特の言い回しがSNSで流行。 |
ブレイクのきっかけ | Twitterでのフレーズ引用や画像ミーム化。Instagramでもハッシュタグ化され、若年層中心に拡大。 |
ポイント | 短く覚えやすい言葉が視覚的に面白く、コピペ文化にマッチ。 |
にゃんごすたー(2016〜)

見た目とスキルのギャップで人々を驚かせ、スターダムにのし上がったキャラクターもいました。
項目 | 内容 |
発祥 | 青森県黒石市の非公式キャラクター。 |
特徴 | 猫の着ぐるみ+超絶ドラム演奏というギャップ。 |
ブレイクのきっかけ | YouTubeとTwitterでライブ映像が拡散。テレビ出演を機に全国区へ。 |
ポイント | ビジュアルとパフォーマンスが両立することで、動画映えしやすかった。 |
PPAP(ペンパイナッポーアッポーペン)(2016)

たった1人の世界的スーパースターのツイートが、日本発の動画を世界的な現象へと押し上げました。
項目 | 内容 |
発祥 | ピコ太郎のYouTube動画。 |
特徴 | 30秒弱のシンプルな歌とダンス。 |
ブレイクのきっかけ | ジャスティン・ビーバーがTwitterで紹介し、一気に世界的ミームに。 |
ポイント | 短尺・反復・リズムの3拍子がSNS動画文化に完璧にフィット。 |
チーズ牛丼(2020)

時には、皮肉や揶揄から生まれた言葉が、ネットスラングとして広く浸透することもあります。
項目 | 内容 |
発祥 | 匿名掲示板での揶揄イラスト。 |
特徴 | チーズ牛丼を注文してそうな顔という特定の外見を揶揄するネットスラング。 |
ブレイクのきっかけ | Twitterやまとめサイトで拡散、TikTokでパロディ動画が派生。 |
ポイント | ネガティブ要素を含みつつも、自虐ネタとしても消費された。 |
バルス(天空の城ラピュタ・定期ネット祭り)

国民的アニメとSNSのリアルタイム性が融合し、年に一度の「お祭り」として定着したミームです。
項目 | 内容 |
発祥 | ジブリ映画『天空の城ラピュタ』のクライマックスセリフ。 |
特徴 | 放送タイミングに合わせTwitterで「バルス」を一斉投稿する文化。この時の負荷でサーバーが落ちないように超絶強化されたらしい。 |
ブレイクのきっかけ | 2009年ごろから実況文化とともに定着、2013年には世界最高の秒間ツイート数を記録。 |
ポイント | テレビ放送とSNS実況の相性が生んだ「集団同時参加型」ミーム。 |
やらないか(2000年代後半)

特定のコミュニティで愛された漫画の一コマが、パロディの素材として長年語り継がれることもあります。
項目 | 内容 |
発祥 | 漫画『くそみそテクニック』のワンシーン。 |
特徴 | 男性の「やらないか」という台詞とポーズ。 |
ブレイクのきっかけ | 2ちゃんねるやニコニコ動画でのMAD動画・AA化。 |
ポイント | ネタの汎用性とパロディのしやすさで長寿ミームに。 |
ネットミームのブレイク要因まとめ
これらの事例から見えてくる「ネットミームが爆発的に広まる条件」は以下の通りです。
- 短く覚えやすいフレーズ(例:GOODBOY、PPAP)
- 視覚的インパクト(例:にゃんごすたー、やらないか)
- 参加型の拡散余地(例:バルス祭り、TikTokの音源リミックス)
- 他ジャンルへの派生が可能(グッズ、二次創作、MAD)
- 偶発的な有名人の拡散(ジャスティン・ビーバーによる紹介など)
おわりに
「グッボイくん」は、この条件のうち短く覚えやすい決め台詞と音源リミックス文化を強く押さえており、今後も派生コンテンツが増える可能性があります。
ネットミームは時代の空気やプラットフォームの性質に大きく左右されますが、その根底にあるのは「人が共有したくなる面白さ」。これからも、思いがけない瞬間に新たなミームが誕生するでしょう。
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