中国のEVメーカー「小鵬(シャオペン)汽車」が発表した人型ロボットのニュース、皆さん見ましたか?
その動きがあまりにも滑らかで、人間そのものだったため、
「どうせ中に人が入っているんだろう」
「着ぐるみ乙」
という声が殺到して炎上状態になったそうです。
これに対するメーカー側の対応が凄まじかったんです。 なんとCEOが公の場で、ロボットの脚の皮膚(外装)にハサミを入れ、ジョキジョキと切り裂いて内部の機械を露出させて歩かせたのです。

さらに背中のチャックを開けて「ほら、中身は機械だろ?」と証明してみせました。
「疑うなら見せてやるよ」というこのスピード感と自信。 このニュースを見て、私はある種の戦慄とともに、遠い昔の「あるロボット」のことを思い出さずにはいられませんでした。
そう、2000年代初頭に日本のネット界隈を爆笑の渦に巻き込んだ、あの伝説の中国製ロボット「先行者」です。
かつて、中国のロボットは「ネタ」だった
今の若い人は知らないかもしれませんが、かつて中国の最先端(と主張されていた)ロボットは、完全にギャグのような存在でした。

2000年頃に発表された「先行者」。 国防科学技術大学といういかにも強そうな機関が開発した二足歩行ロボットでしたが、そのビジュアルは衝撃的でした。
- ブリキのおもちゃのようなスカスカのボディ
- 不自然に突き出した股間の突起物
- 「歩行」というより「すり足」のような危なっかしい動き
当時、人気テキストサイト「侍魂」などがこれを取り上げ、その独特の風貌から股間の突起は「中華キャノン」と名付けられ、日本中で大ブームになりました。

「最先端技術」として発表されているのに、どう見ても昭和の工作レベル。私たちは腹を抱えて笑い、「中国の技術なんてこんなもんだ」と、どこか高を括っていたのです。
当時の日本にはASIMOがいました。技術力において、日本は圧倒的な勝者であり、中国は「愛すべき後進国」だったのです。
いつの間にか、背中は見えなくなっていた
あれから約25年。
「中華キャノン」で笑っていた私たちが、今の中国ロボットを見ています。 今や動きが滑らかすぎて「CGではないか」「人が入っているのではないか」と疑われるレベルです。そして、その疑いを晴らすために、その場で装甲を切り裂いて見せるパフォーマンス力。
かつてヨチヨチ歩きだった彼らは、もういません。 EV(電気自動車)産業で培ったバッテリー技術、モーター制御、そしてAIによる自律制御。それらが組み合わさり、かつて世界のロボット大国と言われた日本を、猛烈なスピードで抜き去っていきました。

「先行者」を笑っていた頃、誰が想像したでしょうか。 あの無骨なロボットの国が、たった四半世紀でSF映画のような機体を作り上げ、世界のハイテク産業をリードする存在になるなんて。
「笑っていた」代償
今回の小鵬汽車のニュースは、単なる「すごいロボットが出た」という話ではありません。 「質が悪いから笑う」対象だった国が、「質が良すぎて疑われる」国へと変貌を遂げたという、決定的な証拠です。
もし今、私たちがまだ「中国製品なんて」と思っているとしたら、それは20年前の「先行者」の幻影を見ているだけなのかもしれません。

ハサミで切り裂かれたロボットの脚から覗く、精緻なメカニズム。 それは、「いつまでも笑っている場合じゃないぞ」という、強烈な現実を私たちに突きつけているように見えました。
先行者の「中華キャノン」は火を吹きませんでしたが、今の彼らの技術革新は、まさに火のような勢いで世界を席巻しています。私たちは今、その熱を肌で感じながら、改めて彼らの実力を直視しなければならない時期に来ているのでしょう。

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