「気づけばもう年末」
「この前お正月だと思っていたのに、もう夏?」
ここ数年、そんな会話を耳にする機会が増えたと思いませんか? そして何より、あなた自身も「年々、時間の流れが加速度的に早くなっている」と感じていませんか。
多くの人はこう考えます。
「それは年を取ったからだ」
「子供の頃に比べて新しい経験が減って、毎日が単調になったからだ」
確かにそれは間違いではありません。心理学的にも説明がついている有名な現象です。 しかし、もしそれだけが理由ではなかったとしたら?
もし、あなたの感覚は正常で、時間そのものが実際に早くなっているとしたらどうでしょうか。
今回は、一般的に知られている理由と、あまり語られることのない科学的なもう一つの恐ろしい可能性について解説します。
なぜ私たちは「時間が早くなった」と感じるのか
まずは、誰もが一度は耳にしたことがあるであろう定説からおさらいしましょう。 なぜ、大人になると1年があっという間に過ぎてしまうのか。これには明確な名前がついています。
脳の錯覚?「ジャネーの法則」

19世紀のフランスの哲学者ポール・ジャネが発案したジャネーの法則です。 これは、主観的に感じる時間の長さは、年齢に反比例するという考え方です。

たとえば、5歳の子供にとっての1年は、人生の5分の1(20%)にあたります。 毎日が初めて見る景色、初めての体験に溢れているため、脳は多くの情報を処理しなければなりません。その結果、1日1日が非常に長く濃密に感じられます。
昔は夏休みが永遠に続くような気がしましたよね。 この感覚は決して気のせいではなく、当時の私たちにとっては、主観的にそれほど膨大な時間が流れていたのです。

一方で、50歳の大人にとっての1年はどうでしょうか。 人生の50分の1、つまりわずか2%に過ぎません。人生という長い尺度で見れば、1年はほんの一瞬の出来事になってしまうのです。
生きてきた時間の分母が大きくなればなるほど、相対的に1年の比重が軽くなり、あっという間に過ぎ去ったように感じる。これが、私たちが時間の加速を感じる心理的な正体だと言われています。

現代特有の理由「スマホによる脳の麻痺」
さらに、現代特有の事情も拍車をかけています。 スマートフォンの普及です。
昔は、電車を待つ時間や、人を待つ時間など、ただぼーっとする退屈な時間がありました。 しかし今はどうでしょう。少しでも隙間時間ができれば、すぐにスマホを取り出してSNSや動画を見始めます。

脳が絶えず情報の刺激を受け続けているため、時間経過を認識するセンサーが麻痺し、体感時間が圧縮されているとも言われています。
ここまでは、あくまで脳の錯覚や感じ方の話です。 おそらく、ここまでの説明で納得された方も多いでしょう。
しかし、これだけでは説明がつかないような、肌感覚としての違和感を抱くことはないでしょうか?
これだけでは説明がつかない?誰も気づかない「本当の理由」

ここからが本題です。実は、心理的な錯覚ではなく、物理的に時間が加速しているという説が存在することをご存知でしょうか。
「時計の針は正しく1秒を刻んでいるじゃないか」
そう思われるかもしれません。 しかし、もし世界中の時計も、私たちの肉体も、そして意識さえも同時に加速していたら、私たちはその変化に気づくことができるでしょうか?
私たちは「落下」しているのかもしれない

最新の宇宙論の一つに、ブラックホール宇宙論というものがあります。 私たちが住んでいるこの宇宙自体が、実はさらに高次元の宇宙に存在する巨大なブラックホールの中にあるのではないか、という仮説です。
突拍子もない話に聞こえるかもしれませんが、ブラックホールの中心には、すべてを吸い込む特異点があります。
お風呂の栓を抜いた時のことを想像してみてください。 排水溝に近づけば近づくほど、水の渦は激しく回転し、吸い込まれるスピードが上がっていきますよね。

これと同じことが、時間にも起きている可能性があります。
もし私たちの宇宙が特異点に向かって落下(収縮)している最中だとしたらどうなるでしょう。 特異点に近づけば近づくほど、空間と共に時間の流れそのものが加速していきます。
私たちは全員、同じ船に乗って同じ速度で加速しているため、互いの時計を見ても狂いには気づきません。 しかし、宇宙規模の視点で見れば、かつての1日と現在の1日は、密度や速度が全く異なっている可能性があるのです。
全世界で同時に起きている現象
近年、世界中の人々が国境や文化を超えて「時間が早くなっている」と口を揃えて言うようになったのは、単なる加齢による共通認識だけではないのかもしれません。

我々が乗っているこの宇宙という船自体が、以前とは比べ物にならない速度で何かに向かって加速している。 そう考えると、年々制御不能なほど時間が早く感じるあの感覚も、妙に腑に落ちるのではないでしょうか。
1日24時間という数字は変わっていなくても、その中身である時間の質は、刻一刻と変化しているのかもしれません。
10年後の「1日」は現在の「1秒」に?

この仮説に基づけば、加速は止まるどころか、今後さらに激しさを増していくことになります。 極端な話、10年後の1日は、現在の1秒くらいの感覚になっていてもおかしくはないのです。
信じるか信じないかはあなた次第ですが、時間の感覚が変わってきていることだけは事実です。
いずれにしても、悠久の宇宙から見れば、私たちの一生など星の瞬き程度の一瞬に過ぎません。 時間がどれだけ加速しようとも、あるいはそれが錯覚であろうとも、今という瞬間を大切にし、悔いのないように毎日を過ごしたいものですね。


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