退職代行サービス「モームリ」を運営するアルバトロス(東京都港区)は1月6日午後6時ごろ、同日の依頼件数が過去最多の256件に及んだと、公式同社のXで発表しました。これまでの1日の最多依頼件数180件から大幅な増加となっています。
同日午後6時30分時点では、Xのトレンドに「退職代行」が入ってしまったほどの騒ぎになりました。同社は対応した依頼者の退職理由も一部公開しました。
職場で倒れ、点滴を打ったあとに働かされた
社内でケガをした際に会社ではなく自宅でケガをしたことにしろと隠蔽を指示された
生理痛のため休日出勤を断ると「生理痛は甘え。ピルを飲んで生理は無くせ」と言われた
なかなかブラックな退職理由ですね。「退職代行」ってどんなサービスなのか?そもそもそんなサービス成り立つのか?違法じゃないのか?安全に利用する方法など見ていきましょう。もしかしたらあなたも「退職代行」使ってみたくなるかもしれませんよ。
退職代行ってどんなサービスなのでしょうか?
退職代行とは、本人に代わって勤務先に退職の理由や意思を伝えるとともに、退職届の郵送や備品の返送などの調整を代行するサービスです。また場合によっては退職金や、賃金未払などの交渉を行ってくれるサービスも有るようです。
最近増えているサービスでもあり、本人が会社に直接行かなくても手続きが進められるため、心理的負担を減らし、速やかに退職できるメリットがあります。
もちろん会社側からすると気分のいい話ではありませんが、しっかりと手続きがなされるのであれば特に問題はないかもしれません。
どんな人達が退職代行サービスを利用しているの?
一般の人からすると、会社を辞めるときはしっかりと自分で手続をするのが普通と思いますよね。でもそうできない人達がいるのも確かです。退職代行サービスを利用している人は下記のような理由の場合が多いようです。
- 上司や同僚に直接退職を伝えるのが怖い。
- 職場でのパワハラやモラハラに悩んでいる。
- 精神的に追い詰められており、退職の話し合いをする余裕がない。
- 迅速に退職を進めたい。
- ブラック企業で辞めさせてもらえない。脅される。
確かに普通の職場であれば辞めるときには伝えればいいだけなんですが、世の中にはとんでもない企業や、非常に精神的に弱い方もいるのでそのような場合には助けになるでしょうね。
また時期も年末年始明けやお盆休み明けなどの長期休暇明けがダントツに多いようです。確かに長期休暇明けは会社に行くのがちょっと嫌だな~と思ってしまいますよね。そんな時に電話一本で退職できるというのは魅力的?かもしれません。
使っても違法ではないのか?安全に利用できるのか?
退職代行サービスに法的な問題はないのでしょうか?基本的には法的には問題がありません。労働者には「退職の権利」があります。原則として退職の意志を会社に伝えれば会社は退職を拒否することはできません。これは代行業者を通じて伝えても同じです。
しかし一つ気をつけるべき点もあります。それは「非弁行為」の問題です。退職代行業者が法律上認められていない行為(これを「非弁行為」といいます)を行うと問題になる可能性があります。
単に退職の手続きを代行するだけだと問題ありませんが、退職代行を利用した退職の際にはなんらかのトラブルを会社との間に抱えている場合があります。そう言った際に本人に代わって、会社と交渉(退職条件の変更や未払い給与の請求など)をすることは法律違反です。これは弁護士だけができる業務になります。
退職代行サービスを利用する際には価格に惑わされずにして選びましょう
退職代行サービスはまだ成長途中の業界であり、企業の質やサービスも玉石混交です。価格が安いという理由だけで利用すると退職ができないどころか逆に会社とトラブルになってしまったり、円満に退職できないことになることもあります。サービスの利用を考えている方は、下記の点をしっかりと確認して利用を検討して下さい。
- 弁護士が在籍しているか、弁護士との提携や監修を実施しているかどうか。
会社との交渉は「非弁行為」に当たるため弁護士資格が必要です。ただ、弁護士に業務を依頼すると料金が大きく上がることになるのでその際の価格もしっかりと確認をしておきましょう。 - 労働組合が運営していたり、提携をしているかどうか。
労働組合は団体交渉権を行使できるため、退職日の調整・交渉や未払い賃金の請求の交渉を行うことができます。
退職代行サービスで
出来ること一覧
企業によって出来ることが違うので注意して下さい。
画像は退職代行「モームリ」のサイトから引用しています。
- 会社がしっかりしているか?
手っ取り早く会社の信頼度を調べるにはインターネット上で確認をするのが一番いいと思います。まずはホームページがあるかどうか。ある場合はコーポレートサイトがしっかりあるかどうかを確認して下さい。そこに代表者挨拶、企業理念、会社概要、お問い合わせフォーム(連絡先)などの情報がしっかりと掲載されているか確認して下さい。
IR情報なども載っているともっといいのですが、今のところそこまで公開している企業はなかなか見当たらないですね。
ついでにホームページのアドレスが独自ドメイン(自社ドメイン)であるかどうかも見ておきましょう。 - 口コミサイトを見ましょう
個人的には口コミサイトは話半分で見たらいいと思います。感情的に、一方的に投稿できるので大げさな話を投稿していたりする場合もあるので盲目的に信用するのは避けましょう。でも多くの口コミが批判的だった場合は参考にしていいかと思います。
まとめ ~まずは自力で退職をおすすめしますが、心折れたら迷わず退職代行サービスを使いましょう。
ストレスフルな世の中、後から考えたらなんでそんなことで悩んでいたのだろうと思うようなことでも、悩んでいる最中には気が付かないものです。
会社を辞めたいなら自分で「辞めます」と言って辞めたらいいだけなのに、「何でそんなサービスを使うんだろう?」と今思っている人も、いざその時になったら「辞めます」の一言が言えずに悩むことがないとは言い切れません。
自分でどうしても会社をやめられない方は思い切って退職代行サービスを使いましょう!
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