2025年10月12日、コント日本一を決める「キングオブコント2025」で、ロングコートダディが悲願の初優勝を飾った。激闘の末に栄冠を手にした瞬間、メンバーの兎は相方・堂前透に抱きつき、静かに喜びを噛み締めた。
「脱力系」「シュール」と評される独特の世界観で観る者を虜にするロングコートダディ。その唯一無二のコントにおいて、飄々とした佇まいで異質な空気感を放ち、笑いを生み出すキーパーソンが兎だ。
相方の堂前が「誰にも出せない空気感を出せる。手放しにくい逸材」と評する彼の魅力の源泉に迫る。
プロフィール

本名 | 髙橋 翔太(たかはし しょうた) |
生年月日 | 1988年8月19日 |
出身地 | 岡山県岡山市 |
身長 | 175cm |
血液型 | O型 |
学歴 | 岡山県立岡山大安寺高等学校 卒業 |
趣味 | 釣り、麻雀、漫画、サッカー観戦、ゲーム |
特技 | 人とすぐに仲良くなれること、ニャンチュウのモノマネ |
不条理を体現する「空気感」の正体

ロングコートダディのコントの多くは、堂前が作り出す緻密で奇妙な設定の上で繰り広げられる。その非日常的な世界に、不思議な説得力と可笑しみをもたらしているのが、兎の存在だ。
彼の役割は、単なる「ボケ」や「ツッコミ」では言い表せない。堂前が設計した世界観に命を吹き込む「不条理の体現者」とでも言うべきか。
飄々とした佇まいから放たれる、どこかズレた一言や突飛な行動は、コントの異質さを決定的なものにする。観客は、彼の予測不能な言動に引き込まれ、気づけば「ロコディワールド」の虜になってしまうのだ。
ユニークな感性と経歴

彼の独特な感性は、その芸名にも表れている。「本名がダサい」という理由で改名を考え、「兎という漢字一文字がかっこいい」と感じた後輩が名付け親となった。「舞台で一番ハネるように」という願いも込められているという。
そのユニークな感性は、彼の経歴にも見て取れる。高校卒業後、友人に誘われ美容専門学校に進学するも、約2ヶ月で中退。やりたいことが見つからず過ごしていた時期に、見かねた姉からNSC(吉本総合芸能学院)を勧められたことが、芸人の道に進むきっかけとなった。
最高の「素材」であり、幅広い交友関係

相方の堂前は、兎の存在を「誰にも出せない空気感を出せる」と評する。これは、相方からの最大限の賛辞であり、ロングコートダディのコントの本質を突いている。堂前が生み出す独創的なアイデアは、兎という最高の「素材」と出会うことで、初めて唯一無二のコントとして完成する。
特技が「人とすぐに仲良くなれること」である通り、彼の周りには自然と人が集まる。マユリカの中谷、蛙亭の中野、ビスケットブラザーズのきん、さや香の石井など、多くの芸人と親交が深いことで知られており、その交友関係の広さも彼の人柄を物語っている。
ファンや仲間を惹きつける、愛すべき人柄と素顔

舞台上の不思議な存在感だけでなく、その愛すべき人柄も兎の大きな魅力だ。ファンからは、予測不能な言動と時折見せる天然な一面が「目が離せない」「かわいい」と人気を集めている。
その魅力は芸人仲間をも惹きつけており、マユリカの阪本は「先輩だけど、会えばハグしてしまう。男だけど母性本能をくすぐられる」と語るほどだ。
彼のユニークな感性はプライベートでも健在。「将来は農業をやりたい。最近キャベツが高いから安定させたい」と真剣に語るなど、発想がどこか斜め上をいく。

また、舞台でスベった後や嫌なことがあると、強烈な眠気に襲われ、一晩寝ると忘れてしまうという独特のストレス解消法を持つ。
その一方で、カヌレ作りに30回失敗して泣いてしまったという繊細な一面も持ち合わせている。
キングオブコント優勝という最高の称号を手に入れた今、彼の「不条理」な魅力と人間味あふれる素顔は、さらに多くの人々を惹きつけるだろう。
飄々としながらも、確かに笑いの中核を担う存在、兎。彼がこれからどんな新しい景色を見せてくれるのか、ますます目が離せない。
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