TikTokを流し見しているとき、ふと耳に飛び込んできたウクレレの音色と、あまりに真っ直ぐな歌声。 椎名林檎の名曲『幸福論』のカバー動画で、今ひそかに注目を集めているシンガーソングライター、「来島エル(きじま える)」をご存知でしょうか。
まだ世間一般に広く「見つかって」はいない彼女ですが、その歌声には、酸いも甘いも噛み分けた大人の心に深く刺さる、不思議な引力があります。
今回は、これからのブレイクが期待される彼女の魅力と、出身や年齢などのプロフィール、そしてそのドラマチックな背景についてご紹介します。
椎名林檎世代に突き刺さる、衝撃の「幸福論」
彼女の名を一躍広めるきっかけとなったのが、YouTubeやTikTok等で拡散された椎名林檎の『幸福論』の弾き語りカバーです。動画は多くの反響を呼びました。しかし、単なる話題性以上に注目すべきは、その「解釈」と「歌唱力」です。
ゴスペル仕込みの「太い」歌声
ウクレレ弾き語りというと、軽やかで可愛らしいイメージを持つかもしれません。しかし、来島エルの歌声は良い意味でその期待を裏切ります。
米国ワシントン州出身の彼女は、幼少期から母親の影響でゴスペルや讃美歌に親しんで育ちました。そのルーツに裏打ちされた、芯のある太い発声とグルーヴ感。

それがウクレレのシンプルな音色と合わさることで、原曲の持つエモーショナルな部分を裸のまま突きつけてくるような、独特の迫力を生んでいます。
あの頃、椎名林檎を聴いて青春を過ごしたリスナーにとって、彼女のカバーは単なる懐メロではなく、「歌詞の意味を改めて噛み締めさせられる」新しい体験として響くはずです。
出身はアメリカ!彼女は何人?年齢などのプロフィール
彼女が醸し出す、どこか影のある魅力。それは彼女自身の少し変わった経歴から来ているのかもしれません。 「来島エル」という名前や、その彫りの深い顔立ちから「彼女は一体何人なの?」と疑問に思う方もいるでしょう。
プロフィール:出身と国籍のルーツ

- 出身:米国 ワシントン州
- 年齢:非公開(活動の深みから大人びた印象を受けるが、感性は瑞々しい)
- ルーツ:アメリカ生まれのゴスペル育ち
彼女はアメリカで生まれ育ちましたが、その後日本へ移住しています。国籍などの詳細は明かしていませんが、日本語の歌詞の乗せ方やMCでの語り口は、日本文化への深い造詣を感じさせます。
異色の経歴:「引きこもり」から生まれた歌
特に印象的なのが、高校時代のエピソードです。 日本の学校文化(特に合唱など)に馴染めず、全寮制高校で部屋に「引きこもり」を経験していた時期がありました。

しかし、彼女は少ない友人の前で即興の歌を披露し、それを褒められたことで初めて「音楽」を自分の表現手段として意識したといいます。
孤独だった部屋から、友人と繋がるために紡いだ歌。 彼女の歌声に感じる、技術だけではない切実さや、ふとした瞬間の「青臭さ」は、こうした原体験から来ているのでしょう。
「癒やし」と「本音」の隙間にある魅力

彼女のオリジナル楽曲(『ちゃちな愛』など)やSNSでの発信を見ていると、透明感のある歌声とは裏腹に、非常に人間臭い一面が垣間見えます。
友人と愛について語り合った日常会話から曲のリズムが生まれたり、自身の弱さを隠さずに表現したり。 完成されたアーティストというよりは、「迷いながら歌っている」ような、未完成ゆえの危うさと美しさが同居しています。
その姿は、社会の中で理不尽や孤独と戦ってきた世代にとって、かつての自分を見ているような、あるいは娘を見守るような、不思議な共感(エモさ)を呼び覚まします。
まとめ:古参ファンになるなら「今」

ゴスペル仕込みの本格的な歌唱力を持ちながら、どこか守ってあげたくなるような「青臭さ」も残すシンガー、来島エル。
TikTokなどのSNSでプチバズりを見せているとはいえ、まだ知る人ぞ知る存在です。 ライブハウス(代官山「晴れたら空に豆まいて」など)での活動も精力的に行っている彼女。
『幸福論』のカバーで心を掴まれた方は、ぜひオリジナル曲も聴いてみてください。きっと、忘れかけていた初期衝動のようなものを思い出させてくれるはずです。


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