「いつ届くの?」アスクル・LOHACO停止、サイバー攻撃で物流ストップ。無印やロフトにも影響拡大

ASKUL ビジネス
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「LOHACO(ロハコ)でいつものお水を買おうとしたら、注文できない…」
「会社のコピー用紙、明日届くはずだったのに!」

そんな混乱が日本中で広がっています。

オフィス用品通販の「ASKUL(アスクル)」と、個人向け通販の「LOHACO」が、10月19日(日)からサイバー攻撃を受け、サービスがほぼ全面停止するという異例の事態に陥っています。

私たちの生活や仕事に直結するこの問題、一体何が起きているのでしょうか。

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私たちの注文はどうなる? 現在わかっていること

ランサムウェア

今回の原因は、「ランサムウェア」と呼ばれる非常に悪質なコンピューターウイルスによる攻撃です。これにより、アスクルの心臓部である物流システムがストップしてしまいました。

その結果、アスクルもLOHACOも、新しい注文を受けることや、商品を倉庫から出荷することができなくなっています。

すでに注文した分は「キャンセル扱い」に

混乱する倉庫

アスクルは、「障害発生前に注文された商品についても、まだ発送されていないものはキャンセル処理を進める」と発表しています(10月21日時点)。

すでに支払い済みの場合は返金される見込みですが、多くの利用者にとっては「お金の問題ではなく、モノが届かないと困る」という状況です。

「ないと仕事にならない!」利用者からの悲鳴

この事態に、サービスを日常的に使っていた人たちからは、不安や困惑の声が上がっています。

LOHACOユーザー(一般消費者)の声

LOHACOは、重たいお米や飲み物、かさばる日用品を買うのに必須だった。スーパーに買いに行く時間がないのに、本当に困る…

LOHACO限定のデザインが好きで使ってたのに。早く復旧してほしい

ASKULユーザー(小規模事業者・オフィス)の声

うちみたいな小さな会社は、事務用品も消耗品も全部アスクル。『明日来る』からアスクルなのに、これじゃ仕事にならない!

クリニックで使う医療用の消耗品やトイレットペーパーの在庫が…。注射針なんかもうストックが無くなるよ。

他のサイトを探したけど、みんな考えることは同じみたいで、どこもサイトが重い

実際、アスクルが停止したことで、代わりとなる他のオフィス用品通販サイト(大塚商会の「たのめーる」やコクヨの「カウネット」など)に注文が殺到。

サイトにつながりにくくなるなど、「調達難民」とも言える状況が発生しています。

影響はアスクルだけじゃない! 「とんだとばっちり」

MUJI

さらに深刻なのは、影響がアスクルグループだけに留まらない点です。

アスクルは、他社のネット通販の商品の保管・配送も請け負っていました。そのため、アスクルの物流が止まったことで、以下の企業のネットストアなども「とんだとばっちり」を受け、販売停止に追い込まれています。

  • 無印良品ネットストア
  • ロフトネットストア
  • ネスレ日本の通販サイト
  • そごう・西武(一部サービス)

「無印良品週間で買おうと思ったのに…」といった声も多く、私たちの生活の広範囲に影響が及んでいます。

これからどうなる? 私たちができること

復旧

アスクルは「全社を挙げて復旧に取り組んでいる」としていますが、10月24日現在、残念ながら全面復旧のめどは立っていません。

また、「住所やクレジットカードなどの個人情報が盗まれたんじゃないか」と心配な方も多いと思いますが、これについては「現時点では流出は確認されていない」としつつ、引き続き調査を進めているとのことです。

私たち利用者にできることは、まずアスクルやLOHACOの公式サイトからの正式な発表を待つことです。

急ぎで必要なものについては、復旧を待つあいだ、一時的に他の通販サイトや近所のスーパー、ホームセンターなどの実店舗を利用するしかなさそうです。非常に不便ですが、続報を待ちましょう。

いつ復旧するの? 過去の事例から見る「長期化」の懸念

では、一体いつになったら私たちはアスクルやLOHACOを使えるようになるのでしょうか。

アスクル自身は「復旧時期は未定」としていますが、過去の似たような事例から、ある程度の予測は立てられます。

直近の「アサヒグループ」の事例

アサヒグループ

記憶に新しいのが、先月(2025年9月)に同じくランサムウェア攻撃を受けたアサヒグループの事例です。

アサヒもアスクルと同様に物流システムなどが停止し、ビールの受注や出荷が止まる大きな影響が出ました。あの攻撃から約1ヶ月が経過した10月下旬現在も、まだ「完全復旧には至っていない」と報じられています。

復旧に「1ヶ月以上」かかるケースも

ランサムウェア被害

警察庁などの調査データ(2023年)を見ても、ランサムウェア被害を受けた企業のうち、業務再開までに「1ヶ月以上」かかったケースが約2割〜3割にのぼるという統計があります。

「バックアップからすぐに戻せる」と思われがちですが、実際には「どのデータが安全か」を一つ一つ確認し、ウイルスの痕跡を完全に消去し、安全なネットワークを再構築するという、非常に時間のかかる作業が必要です。

これらの事例を踏まえると、残念ながら数日で元通りになる可能性は低いと言わざるを得ません。

物流という複雑なシステムが停止していることを考えると、全面的なサービス再開までには、少なくとも数週間、場合によっては1ヶ月以上かかる可能性も覚悟しておく必要がありそうです。

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