先日の衆議院選挙での「チームみらい」の大躍進を受け、安野貴博氏への注目度が急上昇しています。「AIエンジニアらしい」「若きリーダー」といった形容詞で語られますが、彼の実像を深く理解している人はまだ少ないかもしれません。
中田敦彦のYouTube大学での対談において、中田氏は彼を

レオナルド・ダ・ヴィンチやベンジャミン・フランクリンの再来
とまで絶賛しました。ビジネス、文学、アート、そして政治。一見バラバラに見える4つの領域すべてでトップレベルの結果を出してきた彼は、一体どのような思考回路を持っているのでしょうか。
この記事では、安野氏のこれまでの人生と実績を「オープンソース化」し、彼という人間を動かしている「ソースコード」を5つのモジュールに分解して解説します。
モジュール1:ハッカーの原体験(9歳のExcel遊び)

彼のキャリアの原点は、9歳の時に親が買ってきたWindows 98のパソコンにあります。 普通の子供ならゲームやインターネットという「消費」に走るところですが、彼はExcelに夢中になりました。
「Excelには関数があって、乱数を使えばじゃんけんゲームやスゴロクが作れることに気づいた」
既存のゲームで遊ぶのではなく、大人用のツールをハックして、自分でゲームを作り出す。この「与えられた環境の仕組みを理解し、新しい価値を創造する」というハッカーマインドこそが、彼の全ての活動の根底にあるカーネル(核)と言えます。
モジュール2:最短経路アルゴリズム(開成・東大時代)

開成中学・高校時代、彼は演劇部の立ち上げ、テニス、プログラミング、高校生クイズ出場と、驚異的なマルチタスクをこなしていました。当然、学業の成績は下がりましたが、彼は焦りませんでした。
大学受験に際して彼が採用したのは、「過去問の徹底分析」による最短経路の攻略です。「課題解決は最短経路でやるべきだが、人生を楽しむプロセス(演劇や創作)は時間をかけたほうがいい」 この合理的な割り切りにより、わずか1年の受験勉強で東大に現役合格します。
この「目的逆算型の思考」は、後の政治活動でも発揮されます。「政治を変えるには、既存政党に入るより新党を立ち上げるのが最短経路だ」という判断は、この学生時代からのアルゴリズムが機能した結果です。
モジュール3:未来予測エンジン(SF作家と起業家)
安野氏は、AIスタートアップを2社創業し成功させる一方で、ハヤカワSFコンテストで優秀賞を受賞するSF作家でもあります。この二足のわらじについて、安野氏は「実は同じことをやっている」と語ります。

技術がこう進化したら、未来はどうなるか?というシミュレーションをしているだけ
‼️起業(ビジネス)
技術的予測に基づき、コールセンターAIやリーガルテックを社会実装する。
✒️SF(小説)
技術的予測に基づき、未来の人間の感情や社会問題を物語にする。
彼にとってビジネスと文学は、同じ「未来予測エンジン」からの異なる出力形式に過ぎません。政治家としての彼が掲げる政策が、単なる対処療法ではなく「未来への投資」に特化しているのは、この強力な予測エンジンを持っているからです。
モジュール4:アートによる視点の転換(RCA留学)

ビジネスと文学で成功した後、彼は世界最高峰の芸術大学院、ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(RCA)へ留学します。絵が描けないというハンディキャップを、当時登場したばかりの画像生成AIを駆使することで克服し、修了制作で評価を得ました。
ここで彼が学んだのは「問いの立て方」です。代表作「生成時計」は、1分ごとにAIが新しい時計の絵を描き続ける作品です。
これにより「時間は均質なものではなく、二度と戻らない一回性のものだ」という哲学を表現しました。 テクノロジーを効率化のためだけでなく、人々の認識を変えるために使う。このアート的感性が、彼の政治活動における「言葉の選び方」や「分断を生まない対話」に深みを与えています。
モジュール5:デバッグへの使命感(政治への転身)

なぜこれほどの才能が、最も非効率な政治の世界に入ったのか。彼は、今の政治システムを「バグだらけの古いソフトウェア」と捉えている節があります。
「エンジニアの習性として、バグ(不具合)を見つけると直したくなるんです」
政治資金の不透明さ、理不尽な参入障壁、時代遅れの法律。これらを「悪」として断罪するのではなく、「修正可能なバグ」として捉え、自らキーボードを叩いて直しに来た。
それが政治家・安野貴博の正体です。 彼は権力が欲しいわけではなく、システム管理者として日本というOSを正常化しようとしているのです。
結論:彼は「政治家」という枠には収まらない

安野貴博という人物をオープンソース化して見えてきたのは、「テクノロジー」「合理性」「未来予測」そして「安定した倫理観」が複雑に統合された、極めて現代的な知性でした。
今回の衆院選での勝利は、彼にとってはゴールではなく、大規模な「システム改修プロジェクト」のキックオフに過ぎません。
レオナルド・ダ・ヴィンチが芸術と科学を融合させたように、安野貴博は政治とテクノロジーを融合させようとしています。そのプロセスそのものが、私たちにとってかつてないエンターテインメントであり、希望となるでしょう。


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