Amazonの闇に突撃。商品に入っていた「星5レビューで全額返金」チラシに従ってみた結果

突撃挑戦
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Amazonで買い物をしているとき、聞いたことのないメーカーの商品なのに、なぜか評価が数千件あって、しかも星4.5以上……なんて商品を見かけたことはありませんか?

「みんなが良いって言ってるなら大丈夫か」と思ってポチったら、届いたのは微妙なクオリティの商品。そして箱の底には、怪しげなチラシが一枚。

『星5レビューを書いたら全額返金+謝礼をお渡しします』

今回は、Amazonにはびこるサクラレビューの闇に迫るべく、この怪しいオファーに実際に乗っかってみたらどうなるのか、捨て身の突撃取材を敢行しました。

結論から言うと、本当に返金はされました。しかし、そこには想像以上に組織的な手口と、私たちユーザーが背負う大きなリスクが隠されていたのです。

商品券プレゼント
アドバイザー
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商品名に「令和最新版」「進化版」といった過剰な煽り文句が入っているものや、商品画像にやたらと雷⚡️のエフェクトが使われているものは要注意です。これらは中華系サクラ業者が好んで使うテンプレートであることが多いです。

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箱の中に潜む「サクラ勧誘」の手口とは

今回私が購入したのは、某中華系ブランドのガジェット製品です。価格は約3,000円。評価は驚異の星4.8でした。

届いた商品を開封すると、説明書と一緒に名刺サイズのカードが入っていました。そこには少し不自然な日本語フォントでこう書かれています。

怪しい業者
怪しい業者

私たちの製品を選んでくれてありがとう! 星5の評価と写真付きレビューを投稿してくれたら、感謝の気持ちとして全額返金します。さらに画像付きなら+1,000円のAmazonギフト券をプレゼント!

なぜ業者は赤字覚悟で返金するのか

普通に考えれば、商品を無料で配るどころか、現金を上乗せして渡すなんて商売として破綻しています。しかし、彼らにとってこれは「広告費」なのです。

Amazonの検索アルゴリズムは、レビュー数と評価の高さを重視します。一度上位表示されれば、サクラではない一般のユーザーがどんどん購入してくれるようになります。

つまり、最初の数百件にお金をばら撒いてでも「星5」を買い集めれば、その後の売上で十分元が取れるという計算なのです。

バラマキ

実際に「星5レビュー」を投稿して業者に連絡してみた

ここからは、実際にこの業者の指示に従ってみた一部始終をレポートします。

※注意:これはあくまで検証のための行為です。Amazonの規約違反にあたる行為ですので、絶対に真似をしないでください。最悪の場合、アカウントが停止されます。

指示通りのレビューを投稿

幸いにも、商品は使い勝手が良く満足できたので、星5レビューは心が傷まずできました。「素晴らしい商品です!コスパ最高!」と少しだけ大げさにレビューを入力しました。

指示通り、商品の写真を何枚か撮影してアップロード。「送信」ボタンを押すと、数分後にはAmazon上に私の星5絶賛レビューが掲載されました。

アドバイザー
アドバイザー

最近はAmazon側のAI検知も厳しくなっており、サクラ特有の短文や不自然な日本語のレビューは、投稿しても「掲載不可」としてはじかれるケースが増えています。

指定のLINEに連絡

次に、カードに記載されていたQRコードからLINEを登録します。相手のアカウント名は「カスタマーサポート」となっていましたが、アイコンはフリー素材の女性の写真でした。

私

レビューしました。注文番号は〇〇です

とメッセージを送ると、ものの数分で既読がつき、返信が来ました。

怪しい業者
怪しい業者

確認しました。ありがとう。レビューのスクリーンショットを送ってください

日本語は通じますが、明らかに翻訳機を使っているような違和感があります。指示通りスクショを送ると、すぐに返事が来ました。

本当にギフト券が送られてきた

怪しい業者
怪しい業者

確認完了。これがあなたのギフトコードです

メッセージと共に、Amazonギフト券のコードが送られてきました。商品代金3,000円+ボーナス1,000円、計4,000円分です。

恐る恐る自分のアマゾンアカウントに登録してみると……本当にチャージされました。

商品が手元に残り、さらにお金まで増えている。一見すると「得をした」ように見えます。しかし、事態はこれで終わりません。

チャージ完了

サクラレビューに関わる巨大なリスク

検証を終え、私はすぐにレビューを削除し、受け取ったギフト券相当額は寄付をしましたが、この一連の流れには大きな落とし穴があります。

アカウントBANの恐怖

Amazonは現在、サクラレビューの摘発にAIを導入して本気で取り組んでいます。

もし、業者側のアカウントがAmazonに摘発された場合、その業者とやり取りをしていた購入者も「共犯」とみなされる可能性があります。

ある日突然Amazonのアカウントが閉鎖され、Kindleで買った本も、プライムビデオの履歴も、保有していたポイントも全て没収される。たかだか数千円の小遣い稼ぎで失うには、あまりにも大きすぎる代償です。

アドバイザー
アドバイザー

アカウントが停止されると、新しいアカウントを作り直そうとしても、住所やクレジットカード情報、端末情報などで紐付けされ、二度とAmazonを利用できなくなる「永久追放」の措置が取られることもあります。

個人情報が業者に渡る危険性

LINEやメールでやり取りをする際、注文番号を伝えてしまいます。これにより、業者はAmazon上の「名前・住所・電話番号」と、あなたのLINEアカウントを紐付けることができてしまいます。

「カモリスト」として他の業者に情報が売買され、迷惑メールや詐欺のターゲットになるリスクも否定できません。

アカバン

まとめ:甘い言葉には裏がある

今回、実際にAmazonの闇に触れてみてわかったことは、サクラレビューは組織的かつ機械的に行われているということです。

私たちができる対策は以下の3つです。

  1. 日本語が怪しい「全額返金」カードは無視して捨てる
  2. レビュー数に対して評価が高すぎる商品は疑う(サクラチェッカーなどを活用する)
  3. 絶対にレビュー買収には応じない

目先の数千円のために、大切なAmazonアカウントや個人情報を危険にさらすのは割に合いません。

もし、商品に「星5レビューでプレゼント」という紙が入っていたら、それは「自信のない商品の裏返し」だと思ってください。正しいレビュー文化を守るためにも、甘い誘惑には乗らないようにしましょう。

アドバイザー
アドバイザー

怪しい商品を見分けるツールとして「サクラチェッカー」というサイトが有名です。Amazonの商品URLを貼るだけでサクラ度を判定してくれるので、購入前の習慣にすることをおすすめします。

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