かつて滋賀の風景を彩り、多くの人々の思い出の1ページを飾った場所がありました。時代の流れと共に姿を消してしまいましたが、その記憶は今も私たちの心の中で鮮やかに息づいています。
今回は、多くの県民に愛されながらも今はなき、滋賀の有名な場所を5つ厳選してご紹介します。あなたの思い出の場所も、この中にあるかもしれません。
1. 琵琶湖タワー:湖畔のランドマーク(1964年〜2001年)

琵琶湖大橋のたもとに、1964年から2001年までそびえ立っていた「琵琶湖タワー」。特に、高さ108メートルを誇った観覧車「イーゴス108」は、まさに滋賀のシンボルでした。
私自身、子供の頃、親の運転する車で湖岸道路を走るたびに、遠くに見える巨大な観覧車に胸をときめかせたものです。「いつかあれに乗りたいな」と。初めて乗せてもらった日、頂上から見たキラキラ光る湖面の美しさは、今でも忘れられない宝物です。
周りの大人たちからは、

デートの定番やった

ここから見る花火は格別やったんよ~
といった声が聞こえてきます。施設の老朽化により解体されてしまいましたが、県民の心の中には、今もあの雄大な姿がそびえ立っています。
2. 西武大津店:県都の”ちょっと特別な”百貨店(1976年〜2020年)

1976年から2020年まで多くの人で賑わっていた「西武大津店」最新のファッション、デパ地下の美味しい惣菜、そして贈答品選びまで、ここに来れば何でも揃う、県都のショッピングの顔でした。
私の家では、誕生日やクリスマスといった「ハレの日」に連れて行ってもらう特別な場所でした。おもちゃ売り場で目を輝かせ、レストランでお子様ランチを食べるのが何よりの楽しみでした。
最上階の鳥がいっぱい飛んでいるエリアはまさに非日常な世界が広がっていました。
少し背伸びをして、大人の世界を垣間見るような感覚は、西武大津店ならではの体験だったと思います。

ここで成人式のスーツを買ってもらったなぁ~

初任給で親にプレゼントを買ったのよね
など、多くの県民の人生の節目に寄り添ってきた場所でもありました。周辺の商業施設との競争の末に閉店した今も、その跡地に建てられたマンションを見るたびに、胸が少しだけキュッとします。
3. 大津パルコ:若者文化の発信基地(1996年〜2017年)

1996年から2017年まで、滋賀の若者たちの「遊び場」であり続けた「大津パルコ」。ファッション、音楽、映画…ここに来れば、常に時代の最先端に触れることができました。
私が中高生だった頃、まさに青春そのものでした。お小遣いを握りしめてタワーレコードでCDを買い、友人たちと映画館で笑い、泣いた日々。少し個性的な服に挑戦してみたり、ライブハウスの音に体を揺らしたり…。パルコは、私たちに新しい世界への扉をいくつも開いてくれました。

パルコ前で待ち合わせが定番やった

好きなバンドのライブをここで見た
といった声は、同世代なら誰もが頷くのではないでしょうか。建物の老朽化もあり、その歴史に幕を下ろしましたが、パルコが育んだカルチャーと私たちの情熱は、今も滋賀の街に確かに息づいています。
4. びわ湖温泉ホテル紅葉:癒やしと宴の楽園(1959年〜2012年)

琵琶湖を一望する絶好のロケーションに、1959年から2012年まで佇んでいた「びわ湖温泉ホテル紅葉」。日帰り温泉から豪華な宴会まで、県民に極上の癒やしを提供してくれる場所でした。
子供の頃、祖父母に連れられて家族で訪れた記憶があります。広いお風呂で手足を伸ばし、湯上がりに美味しい食事をご馳走になる。少し大人びた空間にドキドキしながらも、家族みんなが笑顔だった光景が目に浮かびます。美しい庭園の手入れが行き届いていたのも印象的でした。

会社の忘年会は毎年ここやったね

結納で使わせてもらった
など、特別な日をここで過ごした県民は数知れません。施設の老朽化により閉館となりましたが、人々の心に残る温かいおもてなしの記憶は、決して色褪せることはないでしょう。
5. びわこパラダイス:笑顔がはじけた遊園地(1964年〜1998年)

1964年から1998年まで、子供たちの歓声が響き渡っていた遊園地「びわこパラダイス」。その名の通り、そこは子供たちにとっての楽園でした。
私も、休日に親にねだって何度も連れて行ってもらいました。少しのスリルがたまらないジェットコースター、ヒーローショーでの大興奮。園内で食べたソフトクリームの味は、楽しかった一日とセットで、今も鮮明に思い出せます。ここでたくさんの笑顔が生まれたことは、間違いありません。

遠足の定番だった

ここで初めてジェットコースターに乗った
など、多くの子供たちに共通の思い出をくれた場所。惜しまれつつ閉園しましたが、あの場所で生まれた無数の笑顔は、今も琵琶湖の風に乗って語り継がれている気がします。
いかがでしたでしょうか。 今回ご紹介した場所以外にも、あなたの心の中に大切な思い出の場所があるかもしれません。この記事が、少しでも皆様の懐かしい記憶を呼び起こすきっかけとなれば幸いです。
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