最近、「中国の広東省で、チクングニア熱の感染者数が5000人近くに急増」という衝撃的なニュースが飛び込んできました。
聞き慣れない病名と、短期間での深刻な感染拡大の知らせに、「一体どんな病気なんだろう?」「日本への影響は?」と、不安を感じた方も多いのではないでしょうか。

夏休みやお仕事で海外との往来が増える今、この問題は決して他人事ではありません。
そこで今回は、現在中国で急速に流行しているチクングニア熱について、その恐ろしい症状から、具体的な感染経路、そして気になるワクチンの有無まで、旅行や出張の前に必ず知っておきたい情報を緊急解説します。
「骨が折れるような痛み」チクングニア熱の主な症状

チクングニア熱の最大の特徴は、その名前の由来(タンザニアの言葉で「体を折り曲げる」)にもなっている、激烈な関節の痛みです。経験者の中には「骨が折れたかと思うほどの痛みだった」と表現する人もいるほどです。
主な症状は以下の通りです。
- 突然の高熱(38℃以上)
- 激しい関節痛(特に手首、足首、指など)
- 発疹
- 頭痛、筋肉痛
- 倦怠感
多くの場合、発熱や発疹は1週間ほどで治まりますが、関節痛だけは数週間から、時には数年にわたって続くこともあり、日常生活に大きな支障をきたすケースもあります。
どうやってうつるの?気になる感染経路

チクングニア熱の感染経路は、非常にシンプルです。
ウイルスを持つ蚊(ネッタイシマカやヒトスジシマカ)に刺されること
これが唯一の感染経路です。インフルエンザのように、咳やくしゃみで人から人に直接うつることはありません。
今回の中国での流行も、海外からウイルスが持ち込まれ、それを吸った蚊が別の人を刺すことで市中感染が広がったと考えられています。日本にも生息するヒトスジシマカが媒介するため、決して対岸の火事とは言えません。
治療法とワクチンの現状は?

「もし感染したらどうすれば…」「予防接種はないの?」と心配になりますよね。残念ながら、チクングニア熱には特異的な治療薬や、実用化されたワクチンはまだありません。
治療は、痛みや熱を和らげるための対症療法が中心となります。だからこそ、感染しないための「予防」が何よりも重要になるのです。
私たちにできる最大の予防策

ワクチンがない以上、私たちができる対策はただ一つ。
「蚊に刺されないこと」
これに尽きます。特に中国をはじめとする流行地域へ渡航される際は、以下の対策を徹底してください。
- 長袖・長ズボンを着用し、肌の露出を極力減らす。
- 虫除け剤(DEETなど)を適切に使う。
- 蚊が発生しやすい茂みや水辺には近づかない。
- 滞在先は網戸やエアコンが整備された場所を選ぶ。
まとめ:正しく知り、冷静に対策を

中国で流行中のチクングニア熱は、激しい症状を伴う病気ですが、その感染経路は「蚊」に限られます。ワクチンがない現状、私たちにできることは「蚊に刺されない」ための対策を徹底することです。
過度に恐れる必要はありませんが、正しい知識を持って冷静に行動することが、自分自身を守る一番の武器になります。
万が一、流行地域から帰国後に疑わしい症状が出た場合は、すぐに医療機関を受診し、必ず渡航歴を伝えるようにしてください。
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